お客様からこんな質問がありました。
「1cm位の円筒ケースは作れますか?」
結論からいうと作れません!
円筒ケースのことならドンとお任せ!と言いたい所ですが、物には限界があります。
「やらない」のではなく、「出来ない」。
今回はなぜ製造出来ないかのお話です。
目次
1.「出来ない」理由その1 円筒ケースの蓋と底の金型がない
2.「出来ない」理由その2 胴体を巻く限界
3.しかし、やってやれないことはない
「出来ない」理由その1 円筒ケースの蓋と底の金型がない
弊社の円筒ケースの蓋と底は真空成型という方法で製造しています。
真空成型とは?
真空成型とは、加熱し軟らかくした板状のプラスチック材料(熱可塑性樹脂)を金型に合わせて真空吸引することにより、製品を作る成形方法です。
金型の形状に沿って成形できるので、車や機械部品などを成形することも多いです。
この真空成型では金型が必要不可欠です。
ちなみに完成品はこちら↓
最少で直径3.2cm(φ32mm)
最大で直径20.5cm(φ205mm)
の蓋と底の金型を所有しています。
冒頭にあった質問「1cm位の円筒ケースは作れますか?」では、
弊社では3.2cm以下の金型を所有していないため、出来ませんとお答えしました。
これが「出来ない」理由その1です。
「出来ない」理由その2 胴体を巻く限界
蓋と底の直径が小さいと、胴体を巻く力よりも板状の戻ろうとする力が強くなります。
逆に蓋と底の直径が大きいと、元の板状に戻ろうとする力が弱く胴体を巻きやすいです。
3.2㎝の円筒ケースは弊社では機械で巻いて製造しています。
それ以下の直径となると仮に巻けたとしても、接着よりも元の板状に戻ろうとする力の方が強く接着部分が弾け、円筒ケースを作ることが出来ません。
プラスチックの反発については、弊社ロゴマークを製造して下さったaitsu-factory様が絵を書いて下さってますので、そちらをぜひご覧ください。
とても分かりやすいですよ♪
しかし、やってやれないことはない
今までは「やらない」のではなく、「出来ない」という話をしました。
出来るようにするにはどうすればいいか?
まず蓋と底の場合は、金型がないので製造出来ませんが、逆に言えば金型があれば作れる可能性があります。
今まで頼んでいた型が廃盤になってしまった等どうしてもこのサイズが必要だとなれば、金型を作ることは可能です。
但しその場合は蓋と底の料金+金型代が必要となります。
蓋と底が大量に必要な時、定期的に発注がある場合はオリジナルで金型を作っておくと便利かもしれません。
そして胴体の巻きは板状のプラスチックを丸めるやり方では難しいので、
その他のプラスチック成型(ブロー成型や射出成型)を行っている業者に相談された方が良いと思います。
小さな円筒ケースの製造を専門取り扱っている業者に頼めば、もしかすると自社所有の金型があるかもしれません。
以上の理由により1㎝の円筒ケースは製造できません。
この情報がお客様のお役に立てば、幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。