お客様から頂いた質問にお答えするコーナー、お客様相談室第二弾です。
今回のテーマは「アイスのパッケージに円筒ケースは使えますか?」です。
もうとっくに夏は過ぎ、冬の背中が見え始める頃ですが(笑)
有り難いことに今年の夏にこのテーマに関する問い合わせを数件頂きました。
ただ残念なことに「アイスのパッケージには使えません」とお返事しました。
今回は「なぜ製造出来ないのか?」という疑問に応え、今後アイスのパッケージを考えているお客様へ参考になれば幸いです。
目次
1.アイスのパッケージに使われるプラスチックは?
2.PETとPVC(ポリ塩化ビニル)を冷やすとどうなる?
3.PP(ポリエチレン)で円筒ケースは作れるのか?
アイスのパッケージに使われるプラスチックは?
アイスのパッケージによく使われるプラスチックはPP(ポリプロピレン)です。
PP(ポリプロピレン)は日常的によく目にする素材で、自動車部品や食品容器、フィルム・シートなどに使われています。
PP(ポリプロピレン)の特徴をざっくりいうと冷やしても硬くならず、軟らかいまま形状を保持します。
雪見大福のパッケージをイメージすると分かりやすいと思います。
冷えているのに容器を触ると軟らかいです。
雪見だいふく |
雪見だいふくの容器 |
PETとPVC(ポリ塩化ビニル)を冷やすとどうなる?
弊社のPETやPVC(ポリ塩化ビニル)の円筒ケースは冷やすとどうなるかというと、材料が硬くなり割れます。
昔同業他社が実験し、PETやPVC(ポリ塩化ビニル)は冷やすと材料が劣化して割れることが分かり、アイスなどのパッケージには使えないと結論が出たそうです。
PP(ポリエチレン)で円筒ケースは作れるのか?
では冷やさないで、PP(ポリエチレン)で円筒ケースは作れるのか?
作れないことはないですが、PETやPVC(ポリ塩化ビニル)よりも手間もコストもかかるため、弊社ではお断りします。
弊社で所有している金型でPP(ポリエチレン)をPETやPVC(ポリ塩化ビニル)と同じように真空成型で加熱して加工すると、冷やすたびに蓋が縮んでしまいます。
雪見だいふくのように決まったサイズであれば収縮率も計算して金型も作りますが、弊社のように既存の金型を使ってオーダーメイドで製造する場合は正確なサイズの蓋を成型するのは難しいです。
しかしながら加工途中で加熱を必要としない、キャラメルなどの箱物のクリアケースはPP(ポリエチレン)でも成型できます。
弊社では取扱がないので外注になりますが。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。