今年6月のG20サミットで2050年までに海洋プラごみによる新たな汚染をゼロとする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が宣言されました。そして2025年大阪・関西万博に向け、プラごみ削減に向けた取り組みが進んでいます。飲み物に使うプラスチック製ストローの使用を規制することで、自然環境を守る動きが世界中で強まっています。
目次
1.プラスチック製ストロー使用の問題点は?
2.プラスチック製ストローの代替品
・使い捨てストロー
・繰り返し使えるストロー
3.各素材共通の課題
4.最後に
プラスチック製ストロー使用の問題点は?
テイクアウト用のドリンクに使用するプラスチック製のストローは、価格の安さと手軽さから世界中に出回っています。
しかし使用後のリサイクルが徹底されていないことや、 ポイ捨てによる環境負荷が明らかになってきており、特に自然分解されないプラスチック製のストローやゴミを海洋生物が誤って食べてしまうことで、海の生態系を破壊することが問題視されています。
プラスチック製ストローの代替品
使い捨てストロー
紙製ストロー
技術力が上がり耐水性が向上し、デザイン性も高いです。プラスチックに次ぐ安価で大量生産が可能。ただし長時間使用すると柔らかくなったり、接着のりの味、森林伐採などの環境負荷の問題が残ります。
紙製ストロー① |
紙製ストロー② |
木製ストロー
ストローのために伐採はせず、間伐材や被災地の倒木、産廃の木材から製造しているため、環境負荷が少ないです。極薄にスライスした木のシートを手作業で巻いているので、製造に時間が掛かります。
植物性ストロー
小麦や大麦の茎を使って製造。自然の物を使っているため、使える茎を残す作業とカビや残留農薬の検出など衛生管理に手間がかかります。
食べられるストロー
葉巻系の洋菓子で製造。ストローの機能を付加するため、内側にチョコレートをコーティングするなどの工夫が必要。
分解可能バイオプラスチックのストロー
高い耐熱性と強度を誇り、紙製のような独特のにおいがないという点で、プラスチックに代わるストロー素材として有力。ただし分解には半年以上の時間が掛かります。
繰り返し使えるストロー
竹製ストロー
1本1本細い竹を切り出し、ストロー状に加工。竹は木よりも耐久性、耐水性に優れていて、軽量。繁殖力も強いため、環境負荷も少ないです。毎回の手入れと定期的な煮沸消毒が必須となります。
金属製ストロー
繰り返し、半永久的に使え、デザイン性が高くカーブの形状も製造出来ます。ただし内部を洗うための専用ブラシが必要になります。
アルミ製ストロー① |
アルミ製ストロー② |
ガラスストロー
金属製と同様長期期間、繰り返し使用でき、カーブ形状なども製造できます。他の繰り返し使えるストローよりも破損しやすいです。毎回の手入れと定期的な煮沸消毒は必須です。
その他
各素材の課題
現在のところ代替品について以下のような点が問題視されています。
・従来のストローと比べ、代替品はコストが4〜10倍
・手作業で製造するものは製造に時間が掛かる
・障害者、子どもなどは曲がるストローが必要(紙、自然物素材は曲がらない)
最後に
今回は各素材のメリット・デメリットについてまとめました。
脱プラスチックということで現在は紙素材が主流となっていますが、環境負荷がゼロになったわけではありません。製造者は資源採取から廃棄・リサイクルまでの一連の流れを意識して製造しなければなりません。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。