先月のパッケージ展でのこと。
「脱プラスチック」のため「紙素材」に切り替えたいという人も来られていたそうです。
ちょっと待って!
「紙素材」は地球に優しいの?
「脱プラ」ではなく「脱ゴミ」なんじゃないの?
などなど「脱プラ」がニュースになる度思います。
「脱プラ」はあくまでもCO₂削減や石油枯渇に貢献できても、根本的にゴミ問題を解決するわけではありません。
地球に優しいとは何か?
今回は「脱プラ」の代替品について考えました。
目次
1.「紙素材」は地球に優しい?
2.環境配慮型素材の落とし穴
・バイオマスプラスチック
・生分解性プラスチック
3.期待の新素材
4.ポイ捨てされない代替品を考えてみた
「紙素材」は地球に優しい?
世界中で「脱プラ」が広がり、現在では様々なプラスチック代替品が販売されています。
一番多い代替品は「紙」。
レジ袋やプラスチックのストローなどを中心に順次切り替わっています。
プラスチックと比較すると少々コストが上がるものの、加工しやすくやデザイン性が高いため消費者としては受け入れやすい素材です。
しかし「紙素材」も決して地球に優しいとは言えません。
そもそも紙素材は原材料が樹木であり、これは森林の枯渇に繋がります。
また「紙」を製造する際の洗浄には大量の水を必要とします。
通常、普通紙を1トン作るために必要な水は約100トン。
これでは地球に優しい素材と言えないのでは?と疑問が浮かびます。
環境配慮型素材の落とし穴
現在各国でプラスチック代替品の新素材開発が盛んに行われています。
地球環境に優しい素材が開発されれば、大きなビジネスチャンスに繋がります。
バイオマスプラスチック
バイオマスプラスチックはトウモロコシやサトウキビなどの穀物から作られます。
しかし穀物は食糧問題に影響があるため、その他の物質から例えば藻類・シルク・微生物・CO₂の様々物質から生成する開発が進んでいます。
日本バイオプラスチック協会(JBPA)のバイオマスプラスチックの定義
「原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み、
化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料。」
画像出典:日本バイオプラスチック協会(JBPA)
ただしバイオマスプラスチックは「分解できるもの」と「分解できないもの」があるのでご注意を。
「分解できない」ということは焼却せずポイ捨てすれば、結局今のプラスチック問題と同じことが起こる可能性があります。
生分解性プラスチック
では分解できる「生分解性プラスチック」がプラスチックの代替品に相応しいのかというと、こちらも落とし穴が。
「生分解性プラスチック」は「石油由来」と「植物由来」のものがあります。
「石油由来」のものであれば石油枯渇問題の解決は厳しいですね。
「バイオマスプラスチック」で尚且つ「生分解性プラスチック」であることが理想でしょうね。
期待の新素材
石灰石から作られた「ストーンペーパー」
原材料は石灰石を6割使用、石灰石は日本で100%受給可能。
木材を使用せず、水もほとんど使用しないことから紙素材の代替品として注目されています。
原材料の状態を変えれば、プラスチックにも代替可能。
可燃ゴミとして処理しなければならないが、石油由来のプラスチックよりはCO₂の削減が期待できます。
ポイ捨てされない代替品を考えてみた
新しい素材が次々と開発されたとしても、ゴミのポイ捨てが無くならなければ陸・海の生物が間違って食べちゃいます。
じゃあ捨てない=捨てたくない素材で作ればいいのでは?と閃きました!
こんな感じ↓
あくまで私の妄想です(笑)
しかしながら捨てるには惜しい!と思えるパッケージを作れれば、ゴミ問題にも貢献できるのではと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。