今回は試作事例では伝えきれなかった見本カバーのお話です。
見本カバーは紙箱の上に嵌め込み、商品をゴミや埃から守る役割があります。
使い方は至ってシンプル。
前回試作するにあたり、これはお客様に伝えておかねば!と思うことが出てきました。
ちなみに前回の試作はこちら↓
見本カバーの製作はPETやPVCの性質が肝となります。
見本カバーの発注を考えているお客様の助けになれば幸いです。
目次
1.PETとPVCの材質の違い
2.意外と盲点?PETとPVCの折り目の色の違い
3.PETとPVC、結局おススメはどっち?
PETとPVCの材質の違い
弊社では見本カバーは接着する箇所がなく加工しているので、PETとPVC(ポリ塩化ビニル)から選択できます。
どちらも透明で軽量という点は共通していますが、そもそも材質が違います。
以前にもPETとPVCの違いは書きましたが、今回は見本カバーに限定して比較しました。
意外と盲点?PETとPVCの折り目の色の違い
プラスチックを折り曲げると白くなります。
これを材料分野では「クレージング」と言います。
折り曲げた部分の樹脂が伸び亀裂が発生し、光を反射して白く見えるようです。
ところがPVCは折り目が白くなるのですが、同じ厚みではPETは白くなりません。
厚みが0.3mmなど薄くてもPETの方がPVCよりも硬いので亀裂が入りにくく、
白くなりにくいのだと思います。
PVC(ポリ塩化ビニル)の折り目 |
PETの折り目 |
写真では光の具合で白く見えますが、実際はPETは透明です。
PETとPVC、結局おススメはどっち?
以上の事をまとめると、
PET→コストが安く折り目が白くならないが、表面に傷がつきやすい
PVC→コストが高く折り目が白くなるが、表面に傷がつきにくい
こんな感じになります。
PETとPVCどちらの材料で発注すれば良いですか?と聞かれれば、それはお客様の使用状況によると思います。
短期間のイベントなどではPETを、長期間見本としておく場合はPVCを選ぶのも一つの例ではないかと思います。
また環境配慮パッケージを考え、PVCの見本カバーを選ぶという選択肢もあります。
(PVCはPETに比べて60%を工業塩、40%を石油から製造される省資源型のプラスチック素材です)
PVCは折り目が白くなりますが、白箱を使用していれば全く気になりませんし、クレームが来たこともありません。
折り目の白化に関して気になる方は一度サンプルで確認することをおススメしています。
サンプルは有償ですが、お客様の希望サイズに加工して出荷しますのでご相談下さい。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。