先日、日本でのレジ袋有料化が2020年4月から数か月遅らせるとの発表がありました。ヨーロッパのレジ袋使用禁止から遅れているものの、日本でもすでに異なる素材のレジ袋の代替品が発売されています。
ストローに比べ材料の種類は少なく、何かしらの袋を皆が持って買い物に行けば解決してしまうレジ袋。
今回はレジ袋の代替品について調べました。
ちなみ「脱プラスチック」ストローの話はこちら↓
目次
1.プラスチック製レジ袋使用の問題点は?
2.プラスチック製レジ袋の代替品
・使い捨てレジ袋
・繰り返し使えるレジ袋
3.各素材共通の課題
4.最後に
プラスチック製レジ袋使用の問題点は?
スーパー、コンビニ、ドラッグストアなど商品を購入するたびに手に入るレジ袋。
レジ袋を削減する目的は主に2つ。
1つ目は限りある資源の節約、地球温暖化防止。
2つ目はレジ袋は自然に分解しないため生態系に影響を与えたり、川が堰き止められることを防ぐこと。
特にレジ袋が分解される前に動物たちがレジ袋を食べ物と間違えて飲み込み消化できず、栄養失調で死亡するケースが増えています。
これは世界中で海の生物だけでなく、陸の生物にも被害が及んでいます。
プラスチック製レジ袋の代替品
使い捨てレジ袋
紙袋
プラスチックのレジ袋の代替品の第一候補。印刷もキレイに出来るし、軽量。
すでに紙袋は製品としてあるので、切り替えがしやすい。
買い物袋に使う紙は再生紙や森林認証(FSC認証)を受けた紙を使う企業もある。
ただしプラスチックのレジ袋よりもコストが掛かり、水に弱い。
ストーンぺーパー
原料の6割が石灰石から出来ているため、森林保護と洗浄水の削減に繋がりとってもエコなペーパー。
日本での採掘が可能であり、プラスチックと紙の代替品として注目される新素材。
印刷もでき、水にも強く、リサイクルも可能。
株式会社TBMが開発した「LIMEX(ライメックス)」が有名。
出典:株式会社TBM
生分解性レジ袋
自然界に存在する微生物の働きによって、水と二酸化炭素に分解できるプラスチックから作られたレジ袋のこと。
次世代の素材として期待されている。
ポイ捨てされたレジ袋が自然に分解され生態系に良いと言われるが、分解するよりも前に捨てると生物が食べてしまう可能性があり要注意。
ヨーロッパでは生分解性(自然分解でき、堆肥化可能な)レジ袋のみ使用している国もある。
バイオマスレジ袋
100%石油から作られていたレジ袋から再生可能なトウモロコシやさとうきびなどの植物資源に作られたレジ袋のこと。
植物だけではなく藻類・シルク・微生物・CO₂の様々物質から生成する開発も進んでいる。
バイオマスレジ袋の中には生分解性が付加されていないと、通常の可燃ごみの処理が必要になるため注意が必要。
食べられるレジ袋
袋が捨てられ、生物が食べても問題ないように人間が食べている食べ物からビニール袋を製作。
材料はバナナやサトウキビやトウモロコシを混ぜた物やタピオカの原料であるキャッサバから出来たもの、はたまた海苔から作られた袋もある。
自然分解で約3か月、お湯であれば数十秒で分解されるものがある。
いずれにしてもインドやインドネシアやバリの企業が開発、販売。
出典:EnviGreen
繰り返し使えるレジ袋
エコバッグ
ポリエステル性が多く、防水・軽量・丈夫などの特徴がある。
廃ペットボトルをポリエステル樹脂に再資源化したエコバッグもある。
イオンがリサイクル原料を使ったマイバッグと買い物袋を販売。
買い物かご(バスケットかご)
自分専用の買い物カゴを、買い物バッグとして使用。
お店のカゴの下に重ねて精算時に店員に詰め替えてもらえるので、便利と徐々に人気になっている。
大きく、持ち運びしやすい。
しかし買い物以外の場所は行きづらく、嵩張る。
出典:株式会社スーパーメイト
かごバッグ
籐や竹など自然素材を編んだバッグでとてもエコ。
価格はピンキリ。
折り畳めないので、行きは嵩張る。
アップリサイクルとしてプラスチックの端材を編んだカゴバッグもある。
各素材共通の課題
プラスチック製袋よりもコストは掛かる
まだまだ需要が少ないために、材料のコストが上がる。
特にバイオプラスチック素材は使いまわしの利かない材料なので、保管が難しくある程度のロット数がある完全注文生産でなければ製造することが出来ない企業が多数。
最後に
ヨーロッパでは生分解性レジ袋が主流となっていますが、それは大きな家が多く自分の土地でゴミを処理できる環境があることが大きな要因だと考えられます。
対して日本は土地が狭くゴミ処理技術が発達したお陰とバイオマスや生分解性レジ袋がまだ良く分かっていない点が、普及が遅いのではないかと思います。
しかしまだこの分野は発展途上であり、今の取り組みが必ずしも正解ではありません。
「脱プラスチック」=「紙製品」で満足するのではなく、材料・政策・意識など多面的な角度から取り組む課題でもあります。
引き続き環境に関する情報を発信していきます!
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最後お読みいただき、ありがとうございました。